保険金請求に備えて

ある日突然、予期せぬ出来事として事故が発生する。これには交通事故はもちろんのこと、転んでケガをしたとか盗難にあったとか、様々な形態があることと思います。いずれにせよ保険会社へ保険金請求を行なうことになりますが、そこでの注意点を書いています。

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保険金請求に備えて


保険契約者の皆さんが保険会社に対して保険金請求を行なうという場合において、ゴルファー保険の「ホールインワン」を除いておよそ嬉しいことは無いでしょう。

万が一のために加入している保険なのですから、迅速な処理を望まれるのは当然のことと思います。
そこで、このコーナーでは、一日も早く保険金を受け取るために参考になると思われる事、注意すべき点などを書いてみようと思います。

以前に非常にシリアスな内容のメールをいただいたことがありますが、保険会社は保険金を支払うのがイヤだからややこしいことを言うのでは無く、約款上の支払い事由に該当するかについての確認をしたい、ということが原則であるということをご理解いただいて、契約者の皆さんも対処していただきたいと思います。

内容的には、主に自動車保険に関する内容になるかと思いますが、基本的にはどの保険種目も同じことですから参考になると思います。


いざ、事故が起こったら!

ある日突然、予期せぬ出来事として事故が発生する。これには交通事故はもちろんのこと、転んでケガをしたとか盗難にあったとか、様々な形態があることと思います。
いずれにせよ突発的なことで、それによって経済的な損失を受けるということになります。受けた損失をカバーするために保険会社に対して保険金請求をするというわけですね。

保険会社としては必要書類をいただいて、事故が支払い事由に合致するものであれば、定められた保険金をお支払いするという形になります。
すんなりと事が運んでくれたなら、何の問題もなく、契約者の皆さんも「ああ、保険に入っていて良かった」となって丸く収まるのですが、保険会社から「今回の事故については支払い事由に該当しませんのでお支払い出来ません」などと言われると「何故?」ということになって一悶着起きるということがままあります。

保険契約時にそのような説明は聞いていない、ということで揉めるというケースはよくあることですが、このケースは今回のテーマとは若干異なりますので、別の機会にゆずるとして現実に事故に遭遇してしまったら…という場合を考えて見ましょう。
一般に事故に遭ったらまず落ち着いて、などと言われます。確かにその通りで落ち着いて物事を判断するということが基本ではありますが、それは客観的な立場にあっての見解であって、実際に現場で遭遇した場合は一種のパニック状態に陥ってしまうということはよくあることと思います。
交通事故の場合は、まず目撃者の有無を確認。これが重要なポイントになります。目撃した人が助けてくれたり、あるいは救急車の手配や警察への通報を行なってくれる場合もよくあります。
しかし、一応の処置が終われば立ち去ってしまわれることも多いこともよくあります。
ここでのポイントは、その目撃者さんにお願いして連絡先を聞いておかれることですね。目撃情報というのは客観的な証言になりますので非常に重要です。

しかし、事故で特にケガをしてしまったというような場合には、目撃者に話をすることが出来ないまま救急搬送されてしまうこともありますし、事故のショックから事故当時の記憶が飛んでしまうというケースも実際にあるようです。
しかし、少し落ち着いたら前後の状況等については思い出せると思います。
それらの事は、なるべくメモを取るなどして置いておかれると良いと思います。要するに忘れないうちに記録をとっておくことですね。
自動車事故あるいは泥棒なのの盗難被害の場合は、なにをさておき警察に通報するということが一番です。自動車事故の場合、相手が立ち去ってしまったとか自分の単独事故の場合は、わざわざ警察に届けなくてもいいか、などと思われる人がずいぶん多いようです。

盗難事故にしても、事故発生からずいぶん時間が経過してから届出ということがあります。一般的に警察を呼ぶとか警察に行くということは楽しいことではないので敬遠されがちなのですが、ここでの警察の役目は発生時間と発生場所を客観的に証明してくれる、ということになるのです。
警察届出が無いという場合は、客観的に事故を証明してくれる第三者が必要になります。そのような人物も居ないということになると、結構やっかいなことになりますので、とりあえずは面倒でも早く警察に届ける、これが基本になります。

次に保険会社への事故報告です。自動車事故の場合は、土曜、日曜といった休日でもフリーダイヤルで24時間事故受け付けを各保険会社は行なっていますので、それらを利用するかもしくは懇意にしておられる代理店の方がおられたらそちらに連絡するかという形になります。
事故報告の際は、出来るだけ先ほどのメモを見るなどして、正確な情報を報告されるということがポイントになります。なるべく自分を有利にというお気持ちはわからないでもないのですが、どっちみち話が整合しなくなって実際の状況は?ということになってしまいます。
車両単独事故で深夜に発生という場合は、たいてい飲酒についての確認が入りますので事故前の行動というものも説明出来るようにしておくことが必要です。

公表出来ない行動というものも現実には多くありますが、プライバシーを暴くということが目的ではありませんので、説明を求められた場合は応える準備が必要ということです。
その後は、保険会社の損害サービス課、あるいは損害調査課(査定)の仕事になります。

盗難事故、および外部から損害を受けたなどの場合についての注意点は、被害に遭った物の時価額等が問題になります。その物を購入された時の記録(購入店、領収書、保証書等)はなるべく取っておかれるということが大切になります。
住宅総合保険などといった火災保険に付随した盗難については、書画、骨董、貴金属類で1点30万円を超えるものについては、契約時に申し出て保険証券に記載しておく必要があります。これは明記物件というものですが、事故が起こった後に実はあったのだ、と言われても困るので事前に証券に記載しておいて揉めないようにするための手続きです。
明記物件として記載されていないものについては、当然支払いをされることはないわけですから、そのような物を持っておられる方は注意が必要です。

傷害保険事故や交通事故などでも、休業損害が発生したと言う場合に問題になるのが、収入の証明ということになります。公的な証明からは実際の収入にはおよびもつかない証明しか出ないというような人もあります。
これも先ほどのプライバシーの問題と近しいことになりますが、それなりの情報提供を求められることとなります。

このようになにかと鬱陶しいことがあるわけですが、これは保険金支払いを受けるために必要な事柄ということになります。事故のために予め準備するというのはおかしな話ですが、知っていて損にはならないことですので、頭のどこかに留めておいておかれると良いでしょう。

実際に保険会社から調査依頼を受ける者として、保険会社の査定担当者の皆さんに申し上げたいことは、事故調査に関しては、契約者の皆さんのプライバシーに立ち入らざるを得ないことが多いのです。
調査を受ける側の立場としては、決して気分の良いものではないでしょう。そのあたりを配慮して契約者の皆さんに調査に入る旨をきちんと先に被調査人さんに伝えていただきたいと願うところです。

保険会社からは調査を入れるとは聞いたが詳しいことは何も聞いていないとか、ひどい場合は調査に入ること自体が伝わっておらず、被調査人からは苦情を言われることがままあります。

調査を受ける側にすると、あまり気分の良いものではありませんので、あらかじめ調査に入る目的をきちんと説明しておいてもらわないと、調査を担当する側としては困ることになります。

保険会社と契約者は対等の立場にあります。その点を理解すればいらぬトラブルに発生することは少ないでしょう。また、契約時に保険内容のチェックを行なうことは双方ともに必要なことと思います。


保険加入時に注意すること

私は保険事故調査という仕事をしているわけですが、圧倒的に多いのが自動車保険に関する事故調査です。それだけ事故発生件数が多いということになりますが、いわゆる示談における過失相殺率の判定資料を求められるものと別に、約款上、保険金支払事由に該当するかの調査案件があります。有無責判断のための調査ですね。

多くは車両保険にまつわるものですが、車両保険は保険料が高額になることから様々な特約を設けて、支払い対象を小さくすることによって一般の車両保険より保険料を安く設定したものがあります。

保険料が安くなるということはそれだけ支払える範囲も狭いということを意味しますが、契約時にその内容が十分に理解されていないことが多く、実際に事故が起こった時にトラブルになるというケースが少なくありません。

保険契約時に代理店の人に十分な説明を求められ、概要を理解して加入するということが大切なのですが、なかなか実際には理解されておられる契約者が少ないという現状と思います。

私が委託契約をしている調査会社は日本社、外資系の保険会社から調査依頼を受けているわけですが、特に最近は各社それぞれに独自の自動車保険を販売しており、その内容が多様化してきています。

契約者の皆さんにとっては、対人、対物といった基本的な賠償部分のみならず事故に際しての様々なリスクをカバー出来るようになっています。

もちろんそれには保険料というものが伴うわけですが、少なからず保険料を支払われることになるのですから、契約時に比較検討して納得して契約するという部分が大切になります。

また、事故発生の際には代理店が保険金請求にどのようにアドバイスなり助言をしてくれるか?という点も重要なポイントとなります。代理店は保険会社と契約者の皆さんとの橋渡しをする役目なのですから、その選択はとても大切ということになります。

現在のシステムは、まだまだ契約のほとんどが代理店を通じてのものとなっていますが、事故発生時に頼りにならない、あるいは何もしてくれないというのであれば代理店を経由して契約する意味が無いと思います。

外資系保険会社を中心にダイレクト販売が行なわれ、それはまた保険料が割安ということから支持されつつあるようです。この場合は契約者の責任において、契約時に内容を確認するということが大切になります。

保険会社間の競争激化と共に、今後はますます保険内容、サービス内容に変化が生じるものと思われます。契約者の皆さんは、より多くの選択肢を得るということになりますが、その内容を把握するというスタンスが重要になることは言うまでもありません。

インターネットにおける各種の情報提供サイト、また保険会社のサイトも訪問されるといろいろな情報を得ることが出来ます。
全ての保険種目についていえることですが、保険という商品は、万が一の場合の保障あるいは補償を買うということである以上、比較検討するのは消費者にとって当然のことだと思います。



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