役にたつ各種保険、特約について
たとえば、あなたが比較的高額な楽器、そうですね仮に数十万円のギターとしましょう。その楽器を所有しているとしましょう。高額なものですし、とても大切にしています。当然、管理についても神経を使い外出時にはハードケースに収納して持ち運んでいます。
ある時、たまたま電車で楽器を運ぶ必要に迫られてしまいました。駅に着く寸前にあなたが乗らなければならない電車がやってくるのが見えたので慌てて駆け出したところ、運悪く通行人の子供に持っていたハードケースがあたり子供は倒れて負傷、さらに運悪くギターケースも路上に転がってしまいました。
結果、子供の親からは治療費を含めた損害賠償を請求され、さらに楽器はボデーにひびがはいるという損害を受けてしまいました。 相手の子供に対する賠償、それに楽器の修理と思わぬ出費が発生することになり頭を痛めることとなりました。そこで出入の代理店さんに相談したところ、あなたの契約している住宅総合保険には、個人賠償責任担保特約と持ち出し家財の総合型特約が付いていることがわかりました。
その結果、相手の子供に対する賠償も、楽器の修理費用もわずかの自己負担額(免責金額)でカバーできることとなり、いまさらながら良く出来た保険に加入していて良かったとあらためて感じることとなったのです。
これは非常にラッキーというケースで、こういう風にうまく行くと良いのですが…。
そこで今回は、ちょっとしたことで思わぬ出費になるというケースに備えて、役にたつ保険と特約をご紹介することにします。
上の例にあげた住宅総合保険(家財に契約をしている場合)については、持ち出し家財についての補償がセットされています。しかし、多くのものは持ち出した家財(例えば楽器であるとか、カメラ、ゴルフ用品など)が出先の建物内で火災、盗難、水濡れ等の被害に遭って損害を受けたという場合に限られています。また補償される額も一定の基準が設けられていますが、最近の新商品には幅広い補償を設けているものがあるため、例として取り上げたのですが、これらは現在の証券を確認されることが大切です。
また、個人賠償責任担保特約も今では住宅総合型火災保険に付されているケースが多いと思われますが、積み立て型の傷害保険などには概ね特約として追加されているケースがほとんどです。
全労済の「こくみん共済」や各都道府県の「県民共済」などの商品でも大概は個人賠償責任保険特約が付いています。
さて、今回の例に挙げた持ち出し家財(携行品)についての補償ですが、思いのほか損害を受けることが多いものです。例えばデジカメなどを落として壊してしまったとか、盗難被害に遭ったというケースですね。
先に挙げた積み立て型傷害保険(家族傷害保険、あるいは女性保険など)には携行品特約がほとんど付されていると思われます。 これらについては補償の額が30万円程度まで、一つの損害については10万円までとか免責金額(自己負担額)は3,000円というような条件が付けられているものがほとんどですが、ちょっとした場合には役に立ちます。
高価な楽器であるとか、骨董品、高級カメラやビデオカメラなどについては、高額であるということから、これらの特約では役不足となる場合もあります。
そこで、こういった物品についてなんらかの補償が欲しいとお考えの方にお勧めするのが個人用特定動産保険です。動産総合保険というのは、基本的にオールリスクといって火災、盗難、破損といったほとんどのケースに対応出来ます。
保険をかける物品を特定するのですから、その物品だけに有効ということになりますが、大切なものをカバーしたいとお考えの方にとっては最適の保険と思います。
基本的に保険金額は時価ベースということになりますから、契約の際には代理店なり保険会社の担当者に相談をして適正な価格で契約するということが後に事故が発生した時に無用なトラブルを防ぐ意味でとても大切になります。 保険会社によっては新価ベースで引き受けるというケースもあるようなので、いろいろと情報を取って検討されるというのも良いと思います。
保険料は、かける物品の種類、保管状況、使用状況等によって異なりますので、保険会社または代理店に問い合わせて確認するしかありません。
また、単なる故障とか、自然劣化などによる損害はカバーされませんので、そのあたりについては契約時に確認しておくことが重要です。
小額の物品の場合は、ほとんど携行品特約で対応出来ます。海外旅行にお出かけされる方は海外旅行傷害保険には必ずセットされているものなのでご存知の方も多いと思います。
最初に例に挙げたもう一つの特約、個人賠償担保特約ですが、これも多くの場合、なんらかの保険にセットされているのがほとんどです。
これは簡単に言うと、自分の不注意で第三者に迷惑をかけ(損害を与え)結果として、相手から損害賠償請求をされた時に、民法上負担すべき損害賠償額を保険で支払うというものです。
言葉が難しいですねえ。
例にとって説明すると、例えばデパートに買い物に行った際、誤ってハンドバッグがひっかかって陳列してある高価な商品を落として壊してしまった。これによってデパート側から損害賠償を請求されたという場合ですね。この場合は通常デパート側に商品の仕入れ価格部分相当を弁償するというのが順当なところです。しかし、高価な商品ということになると金額もバカになりませんから、このような時に役にたつというものですね。
また、ご主人が契約することによって、同居の親族は全員が有効ということになりますので、小さなお子様(責任無能力者)をお持ちのご家庭には必須ともいえます。
たとえば、小さなお子さんがマンションの上階からあやまって物を落としてしまい、階下に駐車中の車両に損害を与えたとか、自転車に乗っていて老人に衝突したというようなケースで親権者に思わぬ損害賠償が請求されたという例があります。
今や社会的問題となっている自転車による事故で相手に怪我をさせたなどの場合を考えると、個人賠償責任保険特約は必須といえるでしょう。
多くの特約では補償額1,000万円程度で1回の事故につき免責金額(事故負担額)が1,000円というものが多いようですが、単独で個人賠償保険というものも販売されています。
掛け金はまちまちですが、例えば5,000万円程度の保険金額でも掛け金は概ね年間2,000円程度のものと思われます。
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