居酒屋仲間「酔太呂クァルテット」の遊びも回を重ね、夏の終わりにはアウトドアキャンプを張ろうということになっていたが、突然メンバーの予定が入り宿泊での遊びは出来なくなってしまった。
それではどうしたもんか・・・?それなら1デイで暑さを避けて川床料理をいただくツアーなんぞはいかが?となった。
たちまち全員一致!メンバーの一人は翌日にはさっそく日本旅行から貴船の料理店に予約を入れていた。
いつもはだらだらしているのにどうしてこのようなことになると俊敏に動くのか・・・。
遊びの力は大きい!
■旅行日程
2007年9月1日
■ 例によって珍道中のはじまり
2007年夏の関西地方は猛烈な暑さが続き、8月が終わった9月1日当日も朝から暑い天気だった。
午前9時30分前、阪急電鉄神戸線「西宮北口」駅に集合。女性陣は事前にちゃっかり金券ショップで人数分の格安乗車券を入手しているところは例によってさすがというしかない。
「しかしなあ・・・、川床料理は夕食やろ?なんでこんな早い時間から出かけなあかんねん!」と問うたところ、
「なに言うてんのん!おっちゃんが昼食にそうめん流しがええなと言うから、お昼は現地でそうめん流しでも食べようか?と思ってんの。今から出かけて丁度よ!」
ときつい返事が・・・(笑)
なにはともあれ、阪急梅田で河原町行き特急に乗り換え。いつの間にか阪急京都線の特急の停車駅がやけに増えている。これでは特急の意味がないがな。
河原町駅から徒歩で3~4分、鴨川を渡ると京阪電鉄の河原町に着く。そこから出町柳駅まで京阪電鉄。
ここでは出町柳駅で乗り換える叡山電鉄との連結切符も販売されているので便利だろう。
二駅ばかりで出町柳駅に到着。叡山電鉄鞍馬線に乗り換え。
叡山電鉄はいわゆるローカル線というものだが、特に紅葉の季節をターゲットにして「きらら」という展望列車を用意している。
この電車は人気があるようで、当日もわざわざこの電車に乗るために他の電車のやり過ごして待つという乗客も多く発車寸前には満席というより満車状態になってしまった。
管理人は出町柳駅で乗り換えの際に偶然「きらら」号にあたったと思っていたが、どうやらKちゃんはこの電車に乗ることを目的に出発時間を設定していたようで、その準備の周到さにびっくり。
管理人は出町柳駅で乗り換えの際に偶然「きらら」号にあたったと思っていたが、どうやらKちゃんはこの電車に乗ることを目的に出発時間を設定していたようで、その準備の周到さにびっくり。
考えてみたら偶然乗り合わせるなどということは滅多にないわ(笑)
この「きらら」、展望用の座席を設けるなど工夫が見られ、紅葉の季節には人気になるのがうかがえた。叡山電鉄では紅葉のトンネルと称される地域があるそうなのでさぞキレイなことだろう。
京都の町も左京区のかなり上のあたりまで住宅地として開けているが、貴船駅に近づくと急に山あいに入り雰囲気が変わる。
さすがに貴船駅で降りる乗客が多くこの駅でいきなりガラガラ状態になってしまった。我々は終点の鞍馬駅まで行くことにしていたのでちょっとびっくり。
仕事で京都にはよく来るが、そのほとんどはクルマを使用するので滅多に電車に乗ることはないが、たまにこのような電車に乗って電車の窓から知っている道路を見るというのも新鮮な感じがする。
しかし、京都はやはりクルマより電車のほうが渋滞に巻き込まれることもなく、確実に着くのでよほど不便なところでない限り電車のほうが便利といえるだろう。
そうこうしているうちに終点「鞍馬」駅に到着。歴史を感じさせる駅舎で、鞍馬天狗にかけて天狗の面やでっかい天狗の顔の像などがある。
ちょっとぉ!君らなあ・・・。実年齢がいくつか考えたことあるかえ?
「ほんまやなあ、鞍馬に着いたらちょうどお昼時分やがな。そうめん流しはええから昼ごはんにしようぜ」
ということで昼食をとることに・・・。結局、鞍馬寺の山門前の食堂に入って昼食。
「しかし、まだお昼やで。貴船の川床までは時間がたっぷりあるがなにをするんや?やっぱり鞍馬寺から山を下って貴船まで行くとするか」
「えっ、おっちゃんが山を下ると言うてる!ほんまなん?」とKちゃん。
「あんたが山歩きをするから歩きやすい靴を履いてこいと言うたがな」
「いや、貴船や鞍馬はもともと山やから歩きやすい靴をと言うただけで、山下りは・・・。でもおっちゃんがその気になってるし、せっかくやから歩こうか」
てなことで、鞍馬寺から貴船まで歩くこととなったが、これがあとでえらいことになってしまった。
鞍馬から貴船へとは言うものの、山の上り下りはさすがにきついので、本堂まではせっかくケーブルカーが用意されているのでそれを採用。
一気に上まで上がることが出来る。ケーブルに乗る前に杖があったので杖を使うことになったが、この杖は大変に便利。年齢に関係なく使われると良いだろう。帰りに貴船側にある西門で返却すればよい。
ケーブルを降りてから本堂までは若干の上り程度で楽に行く事が出来る。
本堂から貴船側への下りはけっこう下り勾配がきついので杖は大活躍。牛若丸が修行をしたとされる木の根道などは歩行に注意を要するが、1時間もかからず下りることが出来る。
下りの途中にある「奥の院魔王殿」は、どうってこののない小さなお堂だが、やけに人が多くまたなにやら雰囲気のあるなあと思ったら、650万年前に金星から地球に降り立ったという魔王尊を祀っているとある。
洛北だけに市内より温度は低いとは言うものの、さすがに山下りをすると暑い。そしてこの辺りまでくるとさすがに疲れてくる。
メタボリック症候群になりかけのジョンちゃんは膝にこたえると嘆く。ようやく西門にたどり着くと、そこは貴船川。
杖を返して、橋を渡ると目の前に「氷」の旗がなびく喫茶店が・・・。
一同吸い寄せられるように「氷」の看板へ(笑)
「こりゃやっぱりかき氷やな。しかし喫茶店やなあ・・・フラッペなんかやったらあかんで!」
「大丈夫!クーラーなんかはないみたい。窓も開いてるし」
たしかに今は街中で見ることもなくなった昔の喫茶店という趣で大変によろしい。さっそくかき氷を注文。
「かき氷はなあ、こうやって暑い中でキーンと頭にくる感じで食べな美味しくないんや!冷房の効いた店内でわけのわからんもんがいっぱい乗ったフラッペなどというもんは意味がない」
と、ぶつぶつ言いながらあっという間に宇治ミルクをたいらげる。普段滅多に食べることのないかき氷などというものを美味しくいただける環境にあることがうれしい。
ああだ、こうだとごちゃごちゃ喋ってると時間も経つが、まだまだ時間はある。さらにコーヒーを頼んで喋る。
■ いよいよ貴船
出町柳駅でもらったガイドマップを見ても、貴船ではあまり見るところはないようだ。とりあえず貴船神社あたりを散策してみようぞとなって、貴船神社に向かうが喫茶店「すもうるとおく」からすぐ。
どうやら貴船神社には本宮、中宮、奥宮と3つの社があるようなので、奥から行ってみよか・・・。
だらだらと上り坂を歩くがさほど距離もないのですぐに奥宮まで到着。街道沿いには料理店が立ち並び、今日予約をしている「貴船荘」も確認。
ここの道路は幅員が全体で4m程度と狭い道路であるが、各料理店の送迎バスや送迎タクシーなどの通行量が多い。そこにもってきて運転の下手なドライバーの車両が通るとたちまち渋滞になる。
こんな狭い道路で、しかも駐車場の少ないところにクルマで来るなよ!おまけにヘタクソな運転ならなおさらで迷惑もはなはだしい。
奥宮、中宮ともに小さな社で、いわれなども書かれているがあっという間に見学は終わる。奥宮は古さを感じさせるところで、もともとはここが本宮だったようである。
貴船川に下りて、そこから奥宮を望むと、
のようになるが、水も冷たく空気も明らかに下界とは異なる。小さな子供を遊ばせている家族を見かけたが、ほほえましい風景で自然と戯れる楽しさを教えるにはもってこいといえるだろう。
普通なら本宮、中宮、奥宮と回るところを逆順で回ってしまったが、本宮は社を建て直したように新しい。ここでは水出しのみくじというものが販売されている。
境内の水にみくじを浮かべると浮き出てくるというものだが、こういうものはついつい買ってしまう。ご利益云々は、神社の利益のことを指すなどと言うと、「またそんなことを言う」としかられる(笑)
ところで、「オレは中吉で、なんであんたらは大吉なんや?」
とにかく貴船神社の奥宮から本宮まで戻ってきたもののまだ時間がある。そこでさらに下って「貴船ギャラリー」という物販店へ。この店はちょとしたカフェスペースも併設しているので立ち寄るにはよいだろう。
そうこうしているうちに空腹感も増してきたので、「ちょっと予定より早いけど、川床料理を勉強しようぜ。予約時間より早いけど頼み込もう」と貴船荘へ。
えらい早い時間やけどなあ・・・。まだ川床は準備中やがな・・・。まあええか、頼もう!
とにかく空腹もあり、ほかになにもすることがなくなってしまったということもあって予定時間より早く午後5時半から川床へ。
こんな時間から他に誰もおらんがな・・・(笑)まさに貸切状態。予約していた席か、急遽用意してくれたかは不明であるがまさに落ち込みの最前列。
なーるほどこんな風になってるんや。
仲居さんからは後ろに傾くと川に落ちるので注意するよう言われる。たしかに背もたれもないので後方に寄ったりしたらたちまち川の中にはまってしまう。
しかし予想以上に涼しい!これはたしかに自然をうまく利用して良く考えられたもんやと妙に感心してしまう。
席の前はまさに落ち込みになっており、そこから雫が席まで飛んでくる。これがまた涼感を増す。もっともこれ以上水量が多くなるとえらいことになるに違いない。
とりあえず「ビール!」
先付けとして出された料理の中に小さな魚が・・・。
仲居さんによると「あまご」とのこと。まあ小さな「あまご」やなあ、こんなん見ただけでは「あまご」とはわからんで。
ジョンちゃん:「この前、黒川渓谷で釣った魚より小さいな。僕の釣った奴のほうがでかい」
「あんなあ、あんたが釣った奴は「あまご」と違ってただの川魚やろ。」
「しかしこのスープは美味いな・・・」
とかなんとか言いながら、こりゃビールというより熱燗がええな。熱燗にしよう。
次は「天然鮎の塩焼きです。これは頭からしっぽまできれいに食べることが出来ますよって、ほとんどのお客さんはお皿だけが残ることなります」と仲居さん。
立派な鮎の塩焼きが出てきた。
塩焼きの鮎はたいがい頭からガブっといくもんやが、どうもそれが苦手ではあったが、この焼き具合といい、これはいってみよかとそのまま食したが、絶品!美味い!
きれに尻尾まで平らげてしまった。ひれや尻尾は型崩れしないように多く塩がまぶしてあるのでさすがに塩辛いがそんなことは問題にせず食べてしまった。
一緒に出てきた「そうめん」も上品な味付けで美味しい。
本来、レポートの意味もあるので出てきた料理は次々に撮影する予定であったが、この後は食べる、飲む、喋るに夢中になってしまい撮影を失念してしまった。
しかし、熱燗で一杯やりながら涼しい床で食するというのはなんとも雰囲気があり、改めて先人はよく考えたもんやなあと感心。
さすがに午後6時半頃になると次々に客が入り、周囲もにぎやかになってくる。グループ客あり、女性同士あり、男性のみのグループありとさまざま。
各料理店などで「浴衣プラン」などとして浴衣付きのプランを用意しているようで浴衣姿の客もある。
たしかに浴衣姿で食事と散策というのも風情があってよろしい。若い女性の浴衣姿は良いものだが、さすがに着こなしに慣れていないというのは仕方がないなあ・・・。
当初、食事時間は1時間半とのことであったが、客席が空いている状況もあってか時間が過ぎても催促にも来ない。結局2時間を経過したところで「ぼちぼち上がろか・・・」となった。
帰りのタクシーを呼んでもらって、タクシーが来るまで土産などの見て過ごす。京漬物があったので買い込む。
帰りのタクシーはオプションで追加していたが、さすがに満腹になってから叡山電車に乗って帰る気はしない。京都駅八条口までの送りになっていたのでそこまで行ってもらうことにする。
当日は特に道路が空いていたこともあって、30分程度で八条口まで着く。このタクシー運転手さんは京都検定に合格しているのだろうと思わせる人で、帰りの車内で詳しく道中の説明をしてくれた。
運転手の説明によると、貴船は市内から比べて温度が5℃低く、さらに川床に下りると5℃低くなるので、都合10℃の温度差があるとのこと。そりゃ長袖や羽織るものが必要になるはずや。
■ 締めは・・・
「8時過ぎか・・・ちょっと一服して帰ろか」
とは言うものの、JR京都駅のでっかい駅ビルの中をうろうろするのもなんやし、グランヴィア京都のロビーラウンジにでも行こうとなって、しばし休憩。
ここのロビーラウンジは大阪のグランヴィア大阪と比べると落ち着いた雰囲気があって良い。
例によってまだビールの奴、ウィスキーの奴と酒好きやが、ここで精算をしながら今日を振り返る。
川床懐石は1人あたり1万円、オプションのタクシー追加を入れても11,000円。あの雰囲気なら満足出来る価格だろう。
精算やら次回はなにをしようか・・・などと雑談をしながらくつろいだひと時を過ごし、JR新快速で大阪駅に向かう。
楽しい一日は終わった。しかし翌朝になってみるとなんだかふくらはぎがやけに痛い。やはり鞍馬山の山下りが堪えたか・・・。こんなんやったらもっとゆっくり下れば良かったと思ってももう遅い。
京都の川床については、夏場は市内の各シティホテルなどが川床料理とセットになった宿泊プランを提供しているので遠方から来られる方はそれらを利用されると良いだろう。
貴船にも宿泊が出来る料理旅館もあるが、貴船に宿泊をしても見て回るところは少なく、足の便もよくないので市内に宿泊して、送迎付きプランを利用するほうがより楽しめるだろう。
注:当サイトに掲載している情報は、予告なしに変更されることがあります。
※当ページに掲載の画像について無断使用を禁じます。
スポンサーリンク
SNSを利用されている方で、このページの記事が役に立つと思われたらシェアしていただけるとありがたいです。