保険金不払い、未払いはなぜ起きたのか

当サイト立ち上げ時以降、少しずつ書いていたコラムのバックナンバーです。

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保険金不払い、未払いはなぜ起きたのか


保険業界、特に損保業界にとって2006年の最大の出来事は保険会社による保険金の不払い、未払い事故の大量発生といえるだろう。

ただでさえ保険金支払いについてはなにかと評判が悪いイメージのある保険業界にとって、実際に保険会社の手落ちとして保険金の不払いや未払いが発覚したことは大きなイメージダウンといえる。

実際のところ、まともな処理を行っている損害サービスの担当者にとっては迷惑な話ともいえるが、これだけ多くの不払いや未払いが出てきたことは重大な問題に違いないだろう。それは契約者の信頼を大きく裏切ることになるからである。

害サービス。以前は多くが査定と称されていた部門であるが、ここでは契約者、被保険者といった保険金請求者からの保険金請求を受けて、支払いについての手続きを担当することを主たる目的としている。

別コンテンツにも書いているように保険についてはわかりにくい部分が多く、また契約時における営業サイドによる説明不足などによって保険金請求者側の誤解も多いことから保険金支払いについてはなにかとトラブルが発生することが多い。

保険というサービスを提供する保険会社にとって、支払いを担当する部門はある意味では営業部門以上に重要な部署ともいえ、そのため損害サービス担当者の質は高いものでなければならないだろう。

それは契約側にとっては、なにかが起こった時に役立つサービスであるからこそ、きちんと支払ってもらわないと意味がなくなるからである。

にも関わらず、実際のところは損害サービスに携わる実務レベルの担当者についてその知識の薄さ、仕事に対するスタンスに疑問を持つことが多い。

支払い案件の多さに対して、担当者の少なさがあることも事実だろう。一人の担当者が扱う件数の多さはそのキャパシティを超えることも多いだろう。

保険会社は営利会社であるから、当然人的コストの削減なども重要な項目であろうが、支払いについては営業と並んで大きな柱であることに違いないのだから、スムーズに処理が出来るように人を配す、またその教育に力を入れるのは当然と思うが、どうもそうではないらしい。

今回の一連の不払い、未払いの多くは第三分野と称される医療保険関係や自由競争になったあおりをうけて次々と発売した自動車保険の各種特約にからんだものが多いと聞く。

契約者側にとっては商品内容が複雑になるばかりで、営業サイドでは多くのシーンでの支払いが可能ですなどと売り込むがその正確な内容が契約者に伝わることは少ないという部分も多いだろう。

またそれは損害サービス担当者にとっても同様のことがいえ、複雑化した商品内容を完全に把握している担当者は少ないものと思われる。

中には請求事案をはなから不正請求(モラルリスク)と見なしたり疑ってかかることによって支払いをセーブしようというケースもあるだろうが、実際面での多くは知識不足というところだろう。

簡単に言ってしまえば勉強不足といえる。

しかし、担当者の知識不足でしたなどという恥ずかしいことは絶対にいえないだろう。保険金請求をした側も詳しい知識がないため、そのままで終わってしまったケースが多かったのであろうが、情報が多く入手出来るようになった今、さまざまな形でそれが問題になって発覚したというのが今回の流れといえるだろう。

実際のところ決してそうではないのだが、なんとなく保険金を支払う側が強者、保険金請求を行う側が弱者のようなイメージがあるが、それは大きな間違いで保険料を支払って契約をし、しかるべき保険金請求事故が発生した場合、保険金請求権者は大きな顔をして請求をし、保険会社は約款に基づいて速やかに保険金を支払うというのが当たり前の話である。

約款解釈についての問題が発生することもあるが、それは別項に譲るとして、保険契約、保険請求についてはあくまでも契約者、保険会社が対等でなければならない。

また、保険会社は保険という商品を売るサービス業であることを忘れてはならないだろう。

同時に契約をする側は、決して安い買い物とはいえない補償という商品を買うのであるから、契約に際して十分に納得する説明を聞いて、また内容を理解してうえで契約をするというのがその大きな基本であることに間違いはない。



 追記

※この項で書いている記事は10年以上前のものです。したがって現在の状況にはマッチしない部分もありますが、過去の記事の保管という意味から、原文のまま掲載しています。

2016年12月19日



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