過去コラム保管場所

当サイト立ち上げ時以降、少しずつ書いていたコラムのバックナンバーです。

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 保険関連あれこれ


あっという間に今年も12月に突入してしまいました。本当に時間の経つのが早いと実感させられるわけですが、相変わらず保険業界は厳しい状況にあるようです。

私の本業は、保険事故調査業務ということですが、保険会社の経費節減のあおりを受けて調査会社もなかなか収益を上げるのに苦労しているようです。

世の中の景気が悪いというのを反映してか、どうも最近は保険金の不正請求案件が多くなったように感じます。たまにメールなどで不正請求を暴くということに対して、同業者の方からそのような時は痛快な気分になりますね、などという意見を頂戴することがあります。

たしかに悪意のある不正請求事案を調査して、その実態をレポートにするということはある意味で正義感にかられることがあります。しかし、多くの場合は本当に悪意のある請求をあばくことは難しいともいえます。

それは、本当に保険金詐欺などを企てる者は用意周到で、なかなかしっぽをつかませないという事実があるからです。

実際に多いのは、たまたま事故が起こって、それが保険金支払いに該当しないということから誰かに相談して、事実を隠して請求するというケースといえます。

このような案件を調査した場合、多くは景気の悪さから金に困ってやむを得ず保険請求を起こすという事実を知ることになります。いわゆるプロでないだけにちょっとしたところに抜けた点があるのですね。

したがって、保険請求も諦めてもらうしかないという結果になるわけですが、このような案件を消化した時はとても嬉しい気分になるものではありません。正直なところ、保険会社には「払ってやりなさいよ」と言いたい気持ちになることもままあります。

調査は調査なので、事実を曲げたレポートを提出するわけにいきません。そのため、調査会社の営業マンや保険会社の担当者からはねぎらいの言葉をもらうことがありますが、同じような案件を連続して消化した時はむしろ憂鬱な気分になってしまいます。

保険は万が一の場合のために掛けるものというのが基本なので、契約者の皆さんはご自身のリスクを検討して、必要と思われるリスク回避を図る意味で、万が一の時に役に立つ保険商品を購入(契約)されることが重要なポイントになります。

また、代理店、営業社員の皆さんは、契約者さんの希望に沿った商品を提供する必要があることは言うまでもありません。

今年はアメリカにおける同時テロ事件というショッキングな事件が発生し、そのために日本国内の保険会社も再保険の関係から収支が悪化して経営破たんに陥る損保会社も出ました。

テロ事件では各業種に様々な影響が出ています。また、思わぬところに影響が出るということもあって、ますます経済の先行きが不透明という情勢になっています。

早く景気が良くなればと思うことは誰しも同じと思います。しかし、バブル崩壊後10年を経過して一向に改善されない状況から、まだまだ本格的な景気回復には時間がかかるものと予想されます。

先に述べましたように保険商品は概ね契約者のリスクコントロールをするものです。生保にしろ損保にしろそれは分野が異なるだけで同じ意味を持ちます。

一般家庭でも企業でも商店でも同じことが言えます。無駄な出費を押さえるということから保険商品の見直しをされる方がずいぶん増えたと聞きます。生保においては解約率が増加したということです。

不要なものをカットして、必要なものにシフトする。これは正しい傾向と思いますが、それをアシストするプロのプロデューサーの方がもっと増えることを望みたいものです。


(2001年12月2日)



 追記

※この項で書いている記事は10年以上前のものです。したがって現在の状況にはマッチしない部分もありますが、過去の記事の保管という意味から、原文のまま掲載しています。

2016年12月19日



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