過去コラム保管場所

当サイト立ち上げ時以降、少しずつ書いていたコラムのバックナンバーです。

スポンサーリンク


 警察官との交通事故の話


前回は詐欺疑惑事故の話で警察の話題になったので、今回はもう一つ警察ネタを書きたいと思う。ただ今回のお話は保険とは直接関係無く、単に警察官との交通事故のやりとりで面白かった記憶があるので書いて見ました。

この事故は確か昭和54年頃だったかと思うが、当時私はちょっと事情があって週に3回位、夜の8時頃から夜中の2時頃まで某大手スーパーの社内メールの回収と配送のアルバイトをしていた。

ある夜のこと、夜中の1時頃だったと思うが、その日の業務を終えて会社に帰る途中、大阪府の高槻市と茨木市の間であったが進行方向前方に小さな橋が掛かっており手前がカーブになっていた。カーブであるため減速して橋を渡ろうとしたところ、突然橋の向こう側の土手の道から原付に乗った警察官が飛び出してきた。

減速していたとはいえ、急ブレーキをかけたものの停止することは出来ずに、原付と接触してしまった。とはいえ跳ね飛ばしたという程のものでは無く、停止する寸前だったので大したことはなく、原付の相手も接触したはずみに転んだというものであった。

しかし事故は事故、しかも原付とこっちは小型貨物(バン)なのでやはりこっちが不利である。なにはなくとも相手がケガをしていないかが問題なので、クルマを道路の端に止めて降りていったところ、幸いにもその警察官はケガも無い様子であったが、いきなり「どこ見て運転しとんねん、免許証出して!」と来た。

つぎは「君は何kmのスピードを出してたんや?ここは制限速度何kmか知っとるか?」と来た、制限速度は40kmだったが深夜の時間帯にそんな速度で走ってる者など誰もいない。しかし現場はたまたま橋の手前がカーブであるため減速していたので30kmにも満たなかったであろう。

とにかくその警察官は、事故は一方的にこっちが悪くて、自分には何の非も無いということで処理しようとしなおかつ自分は警察官だ、警察官に事故るとは何事だという感じがありありと見えた。

その警察官が元気な様子と、その言いぐさがだんだん気になってきて、「私は今も言ったようにこの時間帯はこの仕事をしているが、本業は保険の関係の仕事をしている。この状況であなたは私が一方的に悪いと勝手に判断しているが、あなたはそこの土手の道からいきなりこの幹線道路に飛び出して来たではないか。」

と反論した。そうするとその警察官は「お前は警察官に向かって何を言っとるか」というようなとんでもない対応をしたので、私は完全に切れてしまい「あなたが警察官であろうがなんであろうが事実は事実や、この状況下にあってどっちか一方が100%悪いという過失割合など存在しないことは判例集を見てもわかることや、とにかく事故は事故、然るべき処分は受けて当然のものやから出るとこへ出て話をしようやないか」「ここだと管轄は高槻警察署だろうから本署に行って事故受付もしてちゃんと話をしょうや、とにかくあんたが全然悪くないなどと言うことは絶対にないから時間も遅いし早く行こうや」

と言った。これはまったく当方の意見が真っ当でその警察官がアホなことを言ってる以外のなにものでもない。そういったやり取りをしているうちにもう一人の年配の警察官が近寄ってきて(というのはその巡回は2人一組でやっていたようで、もう一人はしばらく我々のやり取りを見ていたのである)おもむろに口を開いた。

 何と言ったと思います?

まず同僚の若い警察官に向かってケガがないかを確認し、次ぎに原付に損傷が無いか見て、私の車にも損傷が無いか確認してまあ無い(当然のことだ、ほとんど停止状態での接触なのだから)ということがわかったら、「なあ君、君も夜に走らなあかん仕事してることやし、免許証にキズがついたら困るやろ、幸いにもこっちも大したことは無いみたいやし、この件はなかったことにせえへんか」

開いた口が塞がらんとはこのことや、若い警察官もびっくりした様子だったが「この人の言う通りお前も悪い部分がある、公務中の事故やとややこしいことになるから辛抱しとけや」と諭されとった。私は「へええ警察もおもろいこと言いまんねんな」と言ったら、年配の警察官は「いいやちゃんとする言うんやったらしてもええねんで、そやけどこんな些細なことでごちゃごちゃすんのはあほらしいやろ、な、お互いなかったことにして収めようや」と来た。

もう時間も遅かったし、私も当時あまり持ち点もなかったのでこの話はのんでその場を収めたがずいぶん面白い経験をさせてもらった。しかしこの件で警察官に対して反論しなかったら一体どうなっていたか、考えてみたら馬鹿らしい話である。警察官であろうがなんであろうが言うことは言わなあかんと思った事故の顛末である。


(1999年1月29日)



 追記

※この項で書いている記事は10年以上前のものです。したがって現在の状況にはマッチしない部分もありますが、過去の記事の保管という意味から、原文のまま掲載しています。

2016年12月19日



スポンサーリンク


ページのトップへ戻る