生命保険の仕組みとは

よくわからない生命保険の基本的な仕組みを簡単に説明し、保険契約をする前に、あるいは契約見直しの際に参考になる情報を掲載しています。

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生命保険の仕組みとは


前回は保険についての全体的なお話をしましたが、今回はもう少し具体的に保険の内容について書いてみたいと思います。 保険という商品が決して安い商品ではないということはおわかりになられたと思います。では、皆さんはその安くない商品である保険の証券あるいは証書というものをご覧になったことがあるでしょうか?

保険会社から保険証券が送られてきて、封を開けて見たもののよくわからないのでそのまましまってある、という方が多いことと思います。

中には封を開けることもなく、そのままの状態でタンスの中にしまってあるという方もおられるでしょう。(実際にそのような方は意外に多いのです)
また、保険証券をしまってある場所を奥様(あるいはご主人)しか知らないということもよくあります。これでは万が一の事態が発生した時に即座に対処出来ないということもあります。

保険会社はどうされましたか?なんて聞いて来てくれません。契約者側から保険会社に報告してはじめて保険金支払い手続きが開始されるわけですから、保険証券は家族の誰もがわかるところに保管しておくことが原則といえますね。
またその内容も、例えば一覧表のようなものにしておいて、こういう事態が起こったらこの程度の保障があるということがわかるようにしておくのがベストといえます。

例えば入院したら、入院給付金は2社の保険会社から合算でいくら支払いを受けることが出来るというようなことです。保険契約をされる前に、大抵の保険会社は企画書を持ってきます。その企画書を保存されておられる方は少ないと思いますが、これは出来るだけ保存されておかれることをお勧めします。

企画書であることから、保険の内容についての説明、保障額、将来受け取ることの出来る金額の予想額等が比較的わかりやすく記載されていることが多いのです。
契約後に送られてきた保険証券と見比べてみて、違いがないかを確かめることもできますし、保険証券上ではわかりにくい保障内容を確認することも出来ます。もっとも将来受け取ることの出来る金額については保証されているものではありませんので、その旨をどこかに小さく記載されています。

保険証券、あるいは保険証券に添付されてくることもある保障内容の説明、そして企画書等において、契約者の皆さんにとっては重要なことが小さく記載されているのは困ったことと思います。そしてまたその小さな文字で記されていることは、多くの場合きちんと説明されていないということが多いようです。

保険契約の際、契約申込書には自筆で署名し捺印することが原則とされています。ほとんどの皆さんは、外務員さんから説明を受けて、こことここに署名して下さいなどと言われて署名されたことと思います。
その申込書には、小さく、「契約のしおり」を受取り、重要な説明を外務員から受けて内容を理解した上で保険契約を申し込みますなどという文言が記載されているのです。ですから後にそんな説明は受けていないなどということで保険会社と争うことになっても契約者側は弱い立場になってしまうということが多いのです。

「契約のしおり」というものは、いわゆる「約款」とその内容を説明した小冊子です。「約款」というものは、保険会社にとって有利なことを記載してあるものではなく、保険会社と契約者との間のとりきめを記載したもので、その「約款」の内容に従って保険事故が発生したときに保険金が支払われるという重要なものです。 したがって細かいとりきめが記載されています。一般の皆さんがこの「約款」を 読破されるということは極めて困難なことと思います。

寝る前にこの「約款」を読めば睡眠薬より効果があるという笑い話があるほどですが、試しに一度読まれたらいかがでしょう? 多くの場合、この「契約のしおり」は外務員の方が手渡しされることのようです。もしもらっていないというようなことであれば、大切なものですから再請求されるなりして手元に置いておかれると良いと思います。
なぜなら、その「約款」には皆さんが契約されている保険契約についての全てのことが記載されているからです。その全てを読む必要はありませんが、必要な時に必要な項目を確認するということは出来るはずです。



さていよいよ保険証券の中身ですが、保険会社によってその体裁は様々で統一されたものではありません。ですから何社かの契約をされておられる方は比べて見るというのも面白いかも知れません。保険証券を広げて見ると、そこには様々なことが記載されています。 ただ、正直なところそれが非常にわかりにくく記載されているのが残念に思うところです。

保険会社のフォームによって若干異なってはいますが大体以下のようなことが記載されています。
順不同に記載されていることについて説明してみましょう。

まず、その保険の名前、愛称などで◯◯プラン等と記された後に正式名称(例えば、定期保険特約付終身保険などです)が書かれていることが多いように思います。
この正式名称が皆さんのご契約されている保険なのです。

保険証券番号、証券番号はその契約の照会等の際に必ず必要となります。
契約日、保険契約の契約日が記されています。
契約者、この保険を契約した人の名前です。保険料を負担して保険会社との間でこの保険を結んだ人のことです。
被保険者、保険にかかっている人のことです。通常は契約者と同一のケースが多いと思いますが、異なっている場合もあります。 例えば、おばあさんが契約者でお孫さんに保険をかけるというケース等があります。
被保険者の欄には、被保険者の生年月日、性別、契約時の年齢が記されています。

死亡保険金受取人、保険会社からの支払保険金を受け取る人です。通常の場合は、配偶者であったり、親であったりというように近しい親族ということになります。これが第三者ということになると、加入の際、保険会社から事情の説明を求められるということにもなります。

配当金支払い方法、配当金の支払い方法が記されています。多いのは積立てという形でしょう。配当金を積み立てておいて、死亡保険金と合算して支払うというものです。中には配当金で保障額を買い増しするというものもあります。

保険料、または保険料内訳、支払われている保険料についての説明が記されています。合計保険料が書かれ、内訳として主契約保険料、特約保険料などの金額が書かれています。終身保険、養老保険等が主契約になっていることが多く、この主契約部分に貯蓄性があるという場合がほとんどです。
特約保険料には、生存給付金、積立特約等以外は貯蓄性というものはありません。したがって単純に保障を買うものと同じことといえます。

主契約部分にステップ払い方式が採られている場合は何年以降、主契約保険料がいくらになりますという記載があると思います。 特約部分については保険証券上で細かい説明を記されているケースは少なく、別紙明細とか企画書にその記載がされていることが多いように思えます。

特約についてはその種類も多いのですが、ここでは一番多く付されている「定期保険特約」を例に挙げてみましょう。 定期保険特約とは、簡単に言うと一定期間、保障額(保険金額)を買うという特約です。多くの場合は10年あるいは15年間の自動更新という形になっています。10年後には契約者から申しでのない限り、同じ保障金額で自動的に更新しますよということです。ただし保険料は10年後ですから契約時より10歳上の年齢の保険料を適用しますよという意味です。

25歳の人が60歳時払い込み終了の保険期間10年間の自動更新型定期保険特約付終身保険に加入した場合、35歳時、45歳時、55歳時と3回保険料の上昇があるということになります。簡単に言うと、自動更新型定期保険特約を付けた場合、保険料は60歳の保険料支払い終了時まで一定ではないということです。

このような部分は契約時におそらく説明はされるのでしょうが、聞き漏らすことが多いところと思います。

特約保険料について、もう1点注意すべき点は、入院特約等によくみられるケースですが、定期保険と同じく10年あるいは15年の自動更新で80歳まで自動更新できますというものです。
主契約が60歳で支払い終了となるわけですから、それ以降、主契約部分の保険料支払いは必要ありません。では80歳まで特約保険料だけ毎月支払うことが出来るのかというとそんなわけにはいかず、60歳時に80歳までの特約を希望する場合は60歳時に80歳時までの20年間分の保険料を一括して前納で支払う、もしくは年払で支払うことになっているというケースがほとんどです。

こういったことも必ずどこかに記載されています。20年分の特約保険料といっても100万円単位になることが多いので注意される点と思います。
その他、主契約保険料の払い込み期間、保険料の払い込み方法、等が書かれていますのでそれらを確認されるということになります。

次に契約内容の記載があります。
先ほどの主契約がいくら、定期保険特約がいくら等と保障額(保険金額)が書かれています。
例えば、病死の部分で全体として2,000万円の保障があるとして、その内訳が主契約部分500万円、保険期間10年の自動更新型定期保険特約部分が1,500万円というような形です。

この保険の仕組みは下図の通りです。 そして保険料の比率も大体このようなものが多いと思います。

保障


保険料配分

そしてこの場合、60歳までは2,000万円、それ以降は500万円の保障ということになります。自動更新型定期保険特約の期間が10年間ですから、60歳まで10年毎に1,500万円の保障部分は保険料が高くなるということです。

保障の流れ

定期保険保険特約付保険の基本は全てこの形になっています。
この基本の形にそれぞれの特約が追加されるということになります。

特約についてはその他に、災害特約または災害割増特約、傷害特約といったいわゆる事故に対しての特約があります。
災害特約は事故によって死亡した場合に支払われる特約です。傷害特約は同じく事故によって死亡した場合に加えて事故によって後遺障害が 残った時に、その程度によって保険金が支払われるというものです。

また、入院特約、成人病特約、ガン特約、女性疾病特約、通院特約等々の様々な特約が用意され幅広い保障を買うことができます。
しかし、それらのほとんどは掛け捨て型であるという点が重要なポイントです。
したがって保険料全体で20,000円を支払っているとした場合、その全てが主契約として将来に積立てになるということではありません。
これらの点を確認するためにも、保険証券を出してきて改めて検証してみる必要があるということです。



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※当ページの内容は2016年12月18日に一部加筆しています。




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