やさしい保険入門①

生命保険加入を検討するにあたって、わかりやすく説明するため会話形式のシミュレーションを行なってみました。その第三回目です。今回は火災保険などの情報もあります。

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やさしい保険入門②


Q:いろいろありがとう!参考になって、それなりに対応出来たんだけどぉ。今になってこんなこと言うと叱られるかなあ?私ね、思うんだけどそもそも保険ってなんなの?

A:ん?そもそも保険ってなに?えらい奥の深い質問やねえ…(笑)というか、ほんまやな、そもそも保険って何のために入ると思う?


Q:正直言うとね、よくわからない・・・。なんか保険は大切やから入っておかないとダメ!とか、将来お金が返ってくるんだし保障もあって貯金にもなるとか言うし…。自動車保険なんかは、そりゃ人をはねたりしたら大変なんで掛けなきゃいけないと思うけど…。

A:そうやね、ほな自動車保険はどうして加入しないといけないと思う?


Q:そりゃ、人を死なせたり、傷つけたりしたらすっごくお金がかかるから。そんなお金ないし…。

A:だな。自分の過失で他人に損害を与えたら、民法上の損害賠償請求を受ける。しかし、その賠償金が高額になったら普通は払えないわな。仮にごっつい金持ちだったとしても、お金が出ていくことに違いない。損害賠償のような場合だけでなく、自分自身の身の上に何かが起こって、経済的に打撃を被った時に、それをカバーするという意味で保険というものがあるんや。


Q:世の中、何が起こるかわからないから、その時に備えるってことね。

A:まあ、簡単に言うとそういうことやな。たしかに何が起こるかわからない、しかしそれはすべての人の一生のうちに起こるかどうかもわからない。そこが難しいとこやな。


Q:そうよねえ。人間誰でも生きて死ぬことだけは確実で、その間になにがおこるかはわからない。起こるかどうかわからないのに保障を買うというのもねえ…。

A:だから、それは買う人の環境や考え方によって異なるんや。一概には言えない。そこで買う側が必要な保障は何か?を考えなあかんねん。
誰にでも通用しますよ!みたいな商品は一見良いかも知れないけど、その人にとって必要ないものもあるやろ?今みたいに不景気な世の中やったら、物を買うにしてもいろいろ検討するやろ?


Q:物だったら実際に見て確認出来るけど、保険は姿が見えないじゃない?だから困るのよ。

A:そうやな。その点については仕方がない!だから出来るだけわかりやすい説明が必要なんや。ところがなあ…。


Q:そうそう、自動車保険だっていろんな種類があって、ちょっと聞いたぐらいじゃわからないし、保険料だってずいぶん違う。この前、家を買った時、火災保険の説明があったけど、あれだってよくわからない。もっとわかりやすいように説明して欲しいわ。

A:売る側の責任やね。自動車保険なんかは、特に最近は各保険会社が自由競争になってその内容もいろいろ複雑になってる。おまけにネット通販なんかで保険料の安い保険がある。
TVやラジオ、新聞、雑誌にインターネットとコマーシャルをやったら打ってるから、契約者も大変や。けど保険料(掛け金)は安いにこしたことはないから、通販系の契約はずいぶん増えてることは間違いない。
うちの仕事は、保険事故調査やから、いろんな事故の調査をしてるやん。自動車保険に関連する事故調査は多いけど、確実に言えることは、契約時の説明不足、契約する側の確認不足によって保険内容を理解していなくて、「そんなことは聞いてない!」というのが多いということや。
「言うた」「言わない」は水掛け論になってしまうんで、やっぱり最初が肝心やな。わからんことは聞く!車両保険の特約とか、運転者限定特約なんかは特に注意が必要や。
せっかく掛けてると思ってるのに、いざという時に支払われないでは意味がなかろう。


Q:だって、難しいねんもん!保険屋さんから言われたら、それでいいんだ!って思うじゃない。

A:まあね、そやから保険を売るほうは、本当は大変なんや。しかし、買う方も安くない保険料を払うんやから、納得出来るまで聞かなあかんわな。


Q:ところで、火災保険ってね。お家が燃えちゃたら支払ってもらえるんでしょ?うちはローンの関係で入ってるんだけど、これって家財はどうなの?

A:住宅ローンに付随している火災保険契約は、基本的に家財は関係ない。厳密にはその扱い代理店とかによるけど、ローンがらみの火災保険は、銀行などの債権者が火災で家が燃えてしまった時に、債権(ローンの残額やな)を回収するために質権設定ということで掛けているもんや。したがって、多くは建物の時価ベースか、もしくはローンの金額しかかかっていないことが多い。債権者にとって家財に掛ける必要はないやろ?


Q:えーっ、じゃ燃えちゃったら、ローンはなくなるけど家も無くなったまま?家財は保障がないの?

A:簡単に言うとそういうことや。一度証券控えを確認したらええよ。証券そのものは債権者のところに行くから、控えが来ているはずや。家財については基本的に自分で掛けないといけない。 また、建物にしてももし燃えてしまったら、また建て直さないといかんやろ?時価ベースで保険がかかっているか、新価ベース(今、同じ家を建てたらいくら)で掛かってるかによってもずいぶん違うからねえ。


Q:家財ってさあ、いくらぐらい掛けたらいいの?

A:それは一概に言えない。何でかと言うと、家財、簡単に言うと家の中にあるもの全部や。家具、電気製品、家具内に収容されている衣類、小物、全部や。で、それぞれ人によって持ち物が違うやろ?良いものを揃える人もあれば、廉価版でええという人もいる。 衣類なんかでもブランドものを好む人も居れば、無印良品でええやん!言う人も居る。だから、それぞれが一体家の中になんぼほどの物があるのか計算せな仕方がない。
とは言うものの、そんなもんいちいち計算してられへんから、保険会社としては、家族数や世帯主の年齢なんかで一応の基準を決めているが、ええかげんなもんや。
まあ、ヒマな時にざっと計算してみたらええやろ。買った時の価格を基準に、古いものは減価する必要がある。もっとも家財でも新価特約というやつもあるから、アバウトの計算でいいが、極端に実態との開きがあるといかん。
家財の新価特約については、また今度説明するが新価にしておいて損はないともいえるな。


Q:そんなのわからないよ!

A:そやから信頼のおける代理店さんが必要なんや!とにかく家財は一概にいくらぐらいとは言えない。ほんで、宝石やとか骨董品というような高価なものは明記物件というてな、証券に記載しとかなあかんねん。 1点30万円以上のもんやけど、これはそうしておかないと払ってもらえない!当たり前やな、ダイヤなんかは完全に燃えてしまうんで、燃えてから、100万円のダイアの指輪がありましてん!言われても保険会社は困るわな。後でもめないように、出来れば契約時に確認して保険証券に明記しとくんや。


Q:ふーん、じゃ、仕事を休んだら今の収入を保険で払ってもらえるんや。

A:まあ簡単に言うとそういうことになる。しかし全額やない。


Q:なんか頭痛くなってきたわ(笑)もう続きは今度にしてご飯でも食べに行きましょ。

A:ええけどな。コンサルティングしてメシまで奢るんか?


Q:いいじゃない、たまには。若い女の子とごはん出来るんだよ。そうだ!年金の話もあったんだ。

A:おいおい、年金はなあ、ごっついややこしいんや。すぐには言えんでえ。そういやこの前、知り合いの女の子が勤務先が厚生年金の運用を国に返す言うてきたけど何?とか言うとったなあ…。


Q:なるほどねえ…。じゃ、相談してみるわ。それって保険料高いの?

A:建築関係の職人さんやと、事務職と比較すると高い。なぜかというと危険度が高いからや。万が一そういう事態になっても1ヶ月くらいなら貯蓄を取り崩してもなんとかなるというなら免責日数、つまり保険金の支払いを受けることが出来ない日数を長くしたら保険料は安くなる。


Q:女の子って誰?彼女?

A:ん?そんなんはどうでもええねん!とにかく年金問題は極めて重要でな。あんたらはもちろん我々の世代だって今後どうなるかわからん状況や。
少子化の影響で年金保険料は減少するばっかりやしね。そんなことは国もとっくの昔にわかってる。だから民間の金融機関に年金商品を売るように行政指導してたんや。
ここにきて、経済情勢は悪いし、ほんまにやばいことになってきて、これからどうしょう?というとこが本音やろ。 まあ、最終的には税金を上げて対処せなしゃあないやろけど、根本的に考え直さないとシステム事態が崩壊してんねんから、成り立つはずがない!
わかってる人はどんどん自助努力で、将来の資金を用意しようとするから、ますます国のカネはなくなるということや。 結局、国民も国がちゃんとしてくれへんねんやったら、自分でどうにかせなな。生きなあかんねんから、必要に迫られたら考えるわな。
お金のことは、かつてのように景気が良くてどんどん収入も増えるという状況ならともかく、ますます神経質になるやろ?したがって要らん出費は控えようということになる。
保険料だって同じや。要らん保険料は節約して、将来の資金準備に回そうということや。 そのためには契約者側(消費者)も勉強せなあかん!いうことやな。


Q:そうやねえ…。ますますややこしそうやから今度にしょ。

A:疲れたわ!こないだのレストラン・バーに行こか?


Q:あのお店は私との専用よ!じゃ、行きましょ。

A:ああ、しんど・・・。けどクルマで行ったら飲めないなあ…。けど送らなあかんしな。まあとりあえず行こか。




今回のポイント

基本的に保険というものは経済的リスク軽減を目的とするものですから、そのリスクを明確にする必要があります。それは契約者それぞれによって異なるものですから、ご自身である程度明確しなければなりません。 生命保険はもとより、自動車保険、火災保険などの損害保険でも同じです。



やさしい保険入門②<<・>>保険はオーダーメードの商品であるべき
※当ページの内容は2016年12月18日に一部加筆しています。




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