オレオレ詐欺事件について
今年は昨年にも増してオレオレ詐欺が巧妙化して、その被害額も大きくなっているとの報道があるが、なぜこうもオレオレ詐欺に引っ掛かるのかを考えてみたいと思います。
主に高齢者を狙って電話をかけるという手口で、当初は単独での犯行だったものが最近では複数の人物が登場し、さも事故現場もしくは警察署などから電話をかけているように装うとのことです。
たしかに近親者が事故を起こしたなどという連絡を受けると動転してしまい、どうしたら良いのか?!という事態になることはやむを得ないと思いますが、ここでよく考えていただきたいのは、交通事故を起こしたからといって、即座に100万円単位などの示談金を支払うことなどない!ということですね。
ましてや、警察官などがそのようなことに関与するはずがない!ということを再度認識していただきたいということです。
万が一、仮に運転中に不注意から他人にケガをさせたという場合には、その被害者のケガの回復(治癒または症状固定)を待って、それから損害額を確定して然るべき示談が成立するということになります。
もし、当座に必要となるなら救急病院に対しての初診料の支払程度でしょう。それも病院に掛け合うと、交通事故なのだから保険会社の対応を待つというケースもあります。
したがって事故当日にお金を払う必要など一切ないということです。
物損(物件)事故の場合で、ごく小さな損害などの場合は、その場での双方による示談というケースもあるでしょう。たとえば「こんな程度のキズなら1万円でいいよ」と言われたなどということですね。
それは現場での当事者同士の話ですから、それはそれで良いでしょう。それでも仮に1万円を渡したなら、その場で、メモ用紙にでも良いですから受け取りと、今後は一切請求をしないという念書のようなものを取っておくべきですね。
それが10万円にもなるというなら、修理工場での修理見積りを取ってもらった上での話合いになりますし、当然それは対物保険の範疇にはいるわけですから、警察への届出が必要になります。
したがって、ここでも直ぐに現金が必要などということはありえないわけです。
老人世帯のみの世帯をかかえているとか、独居生活をしている老人などが身内に居る場合は、必ず以上のようなことを伝えておくべきですね。
大阪では以前にオレオレ詐欺団の一味が逮捕されたようですが、複数の男女がそれぞれの役割分担をして電話口に出ていたとのことです。
そんなアホなことを考えるならまっとうに働けよ!という気がしますが、電話一本で百万円単位の金が入ってきたらやめられんのでしょうね。
ここでついでですから、ちょっとした事故の際に「ケガもないしもういいよ、連絡先だけ教えておいて」などというケースに遭遇したら要注意!です。
ついそんな言葉に乗って、警察にも届けずにそのまま帰ってしまった後に、「あの事故の件で・・・」という連絡があることはままあります。
そういうのに限って診断書などが出てきて大変やっかいなことになる。
自動車事故詐欺団や、悪意を持った自転車などによく見られるケースですね。このような場合、相手の連絡先を確認、もしもそのまま行ってしまったら、最寄の警察に行って事情を話して参考受理でもしてもらっておくべきですね。
物損(物件)事故としての受理がされていれば、後で診断書を出されても人身事故に切り替えることが可能です。
しかし、事故届け自体が存在しなければ警察も事故の特定が出来ないものですからどうしようもないということになってしまいます。
悪意を持った者は、そういう知識を持った上でいろいろな仕掛けをしてきますので、それなりの対処が必要ということになります。
(2004年11月22日)
追記
※この項で書いている記事は10年以上前のものです。したがって現在の状況にはマッチしない部分もありますが、過去の記事の保管という意味から、原文のまま掲載しています。
2016年12月19日
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