予定利率問題は計画的か
先だっての生保予定利率改定問題が報道されてから、当サイトへのアクセスが増加しています。
かつて生保の破綻が連続して発生した頃に、当時の金融庁がこのアイデアを出した時、生保各社はいかにも反対するというスタンスを見せながら、その実、着々と準備を進めてきたような気がしてならないのは私だけではないと思います。
予定利率問題が生保にとっては逆ザヤの根幹をなすものであり、改訂が出来ればありがたいことに違いありません。しかし、簡単にやってしまうと契約者からの反発をくうことは必至であり、それを回避するために用意周到に準備を進めてきたものと推測されものですが、年金問題にしてもしかり、偉い人達にはかないません。
現時点では、まだどうなるか決定はしていないものの、おそらく破綻前にも予定利率の改定が可能になるような可能性が高いものと思われますが、またまた消費者である契約者が迷惑を蒙るという結果になるのであろうと想像されます。
終身保険、個人年金保険などの契約をしておられる契約者にとっては大きな問題であり、決定までには紆余曲折があるものと思われますが、生保各社の責任はどうなるのかということが問題になるでしょう。経営陣が退陣するなどというようなことで収めてしまおうというのではあまりにも勝手なことです。
当サイトの基本的考えは、生保といえども他の金融機関と同じく機関投資家の一つであり、生保だけが特別な運用が可能というのは不自然とのことから、保険は保障を買うものであり、保険は保険、貯蓄は貯蓄と分けるべきというものですので、今回のようなことをきっかけに契約者の皆さんには、保険について改めて考えていただけるチャンスとも思っています。
実際のところ、当サイトの見直しに関するページへのアクセスは急増しており、また見直しのご依頼、ツールのダウンロードなどもいただくという結果になっています。3~4年前の生保各社の破綻時と同じ傾向ですが、今回は影響が大きいだけに契約者の皆さんにとっても関心がより高いということの証でしょう。
過去に何度も掲載していますように、そもそも生保(生保に限らず損保でも多くの問題はあると思うが…)の営業方法に問題があって、消費者である契約者の皆さんは大きな痛手を蒙るというところに問題の元があるので、これは簡単にすませる問題ではないでしょう。
それらを総括することなく、単に経営に負担になるから予定利率を引き下げます。ではあまりに勝手としかいえませんし、この問題が今後どのように進んでいくのか注目したいところです。
同時に契約者の皆さんには、この機会にご自身の契約内容を再度チェックされ、ご自身の希望にあった納得出来る契約を結ばれるようおすすめします。
ご自宅もしくは勤務先の近くに信頼出来る保険プロデューサー(営業マン、代理店、FP等)がおられるのが一番なのですが、そうでない場合はご自身の考えをきちんと整理されて、ネットを利用して探すという方法も考えられます。当サイトにおいても信頼出来るプロデューサーの方にリンクを貼っていますので、参考になるかと思います。
本来、生命保険というものは高額な商品ですので、契約時にもっと検討されるべきものと思いますが、商品に形がないだけにお困りになると思います。しかし、購入することに違いないのですから、契約する側にも知識を吸収する必要があるということになります。
(2003年2月1日)
追記
※この項で書いている記事は10年以上前のものです。したがって現在の状況にはマッチしない部分もありますが、過去の記事の保管という意味から、原文のまま掲載しています。
2016年12月19日
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