無駄なものは買わない姿勢に
コラム004 長らく休止していましたコラムのコーナーを復活させました。
長く更新も出来ずにいたにもかかわらず多くのアクセスをいただき、また時にはメールなども頂戴するということで、本当にありがとうございます。
現在の私の仕事は、保険金請求事故にかかわる調査ということで、クライアントは保険会社ということになりますが、第三者機関でなければならないということから、客観的に物事を見るという立場にあります。
したがって、保険会社の担当者といえどもおかしなことを言えばそれに対して指摘もしますし、同様に契約者に対しても不自然な点、おかしなところは指摘します。
当サイトに記載していることもすべて私自身の私見として客観的な立場で書いているつもりです。
さて、最近のメディアにおけるコマーシャルにやたらと登場しているのが、外資系生保のアリコジャパンですが、同社を代表格として多くの外資系生保がメインにしている商品が医療保険という、業界でいうところの第三分野の商品となっています。
わが国の生保業界は長く旧来の手法で、死を基準としての生命保険を販売してきました。それらの手法、またそのことによる弊害については当サイト内の各ページに書いています。
現在、第三分野と称される医療保険関係が急速な伸びを示しているのは、死亡時保障もさることながら、生きるために病気による経済的負担をカバーしようというものですね。
ガン保険や、三大成人病についての保険などはまさにその典型です。一方、死亡時保障については、各社ともにかつてのようにあまり意味のない高額保障をつけることを避けるようになってきました。
当然ですね。散々無駄な保険を売り続けることにようやく気付いたかというところですが、これには消費者である契約者側の意識が変わってきたという背景があります。
無駄なものは買わない!という姿勢がなければいけないということでしょう。
保険商品という目に見えない商品であるがゆえに、また仕組みがわかりにくいという点を利用して契約者に対して、その希望にマッチしない商品を売ってきた保険会社の責任は重いと考えます。
ここにきて、契約者の意識が変化を見せたといっても、その実情はまだまだでしょうし、保険会社の商品はますます複雑になりわかりにくくなっています。
更新、あるいは新規契約にあたっては十分な説明と、希望を述べてきちんとしたプランを組み立てることが出来る営業マンから契約をするという姿勢が重要であることは言うまでもありません。
生命保険商品は長年にわたって保険料を支払い続けるものだけに結局は高額商品になります。
この点を再度認識されて、無駄にならない商品を選ぶというスタンスが大切です。
ここにきて公的年金問題が大きな論議になっていますが、各金融機関によって販売されている商品もそれぞれに特徴があるものですから、そのポイントを把握して契約をするというようにしないと、後で言った言わない、聞いた聞かないという問題になりかねません。
概ね保険会社、金融機関というものは最初の時点できちんとした説明を行って契約に至ったと主張しますし、また申込書などには細かくその記載などがありますので、一旦契約をするとよほどのことでない限り販売側に有利に作用します。
自分自身に返ってくる、あるいは遺族の生活にかかわることですから、契約にあたっては細心の注意が必要ということになります。
いわゆる貯蓄型商品にあっては、そこに保険という保障部分が付加されているか、その保障が本当に必要なものか、運用にあたってはどのような形になるのか、などを確認しておく必要があります。
現在のような低金利時代であると、当然、運用にあたって一部のハイリスクハイリターン的なものも必要になるでしょう。
そのこと自体がいけないというものではありません。しかし、それを採用するかどうかを決めるのは契約者自身の考えです。
ただ、銀行に預けていても一向にお金が増えないというような状況であれば、少しでも有利な運用をしたいと考えることは当然ですね。
30代、40代の人達にネットでの株取引が急増しているという部分などは、一部その表れでしょう。
ある意味では、ようやくそのような時代になったかというところですが、自分自身で判断して自分自身で運用を行うというのは重要な意味を持ちます。
完全に信頼できて、運用アドバイスを任せることが出来るようなファイナンシャルプランナーの登場を待ちたいところですが、保険のプロと同様にその数は少ないでしょう。
お金は自分のお金です。判断をするのも自分自身です。自助努力、自己責任という言葉を理解したうえで管理をするというのは、ある意味では当然ですね。
これからの時代はますますその傾向になるものと思います。
自身で情報を集めると同時に、本当に信頼出来るアドバイザーの数が増えることを期待するというところでしょう。
(2004年7月6日)
追記
※この項で書いている記事は10年以上前のものです。したがって現在の状況にはマッチしない部分もありますが、過去の記事の保管という意味から、原文のまま掲載しています。
2016年12月19日
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